PRするゾウ~!柳楽優弥が本物のゾウと全国行脚
ゾウと青年の触れ合いを描いた俳優、柳楽(やぎら)優弥(15)主演の映画「星になった少年」(河毛俊作監督、7月16日公開)の全国キャンペーンで、本 物のゾウが“宣伝役”を務めることが29日、分かった。6月6日から約1カ月半にわたり10都市以上をまわる。柳楽が高校生で、すべてには参加できないこ とから、“もう1人の主役”のゾウに白羽の矢が立った。2・9トンの巨体を“広告塔”と化し、映画の魅力を存分にPRする。〔写真右:カンヌ映画祭で男優賞受賞後初の主演作に気合が入る柳楽優弥。最強の助っ人も加わりヒットは確実!?同左下:全国キャンペーンに出発するゾウ・ランディの専用トレーラー〕
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カンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞後初の主演作として大きな注目が集まる柳楽に、パワフルで頼もしい最強の“助っ人”が登場する。
“宣伝マン”ならぬ“宣伝ゾウ”として、全国キャンペーンをまわるのは、体長2・9メートル、体重2・9トンのアジアゾウ・ランディ(25歳)。原作「ちび象ランディと星になった少年」(坂本小百合著)にも登場するゾウだ。
柳楽ら出演者と監督&ランディは、6月6日に東京・増上寺で出発式に参加。ランディは専用の10トントレーラーで、全国10都市でのキャンペーンに向かう。現在高校1年生の柳楽は、学校の授業などの関係ですべてには参加できないため、その分をランディが補う。
本物のゾウが映画のキャンペーンで全国をまわるのは、初めて。きっかけは、映画の“もう1人”の主役であるゾウの魅力を、どうしたら一番伝えられるかと考えたところからだった。
作品は、ゾウの楽園を作る夢を追い続けて、夢半ばにして20歳の若さで交通事故で亡くなった実在のゾウ使い・哲夢(てつむ)くんとランディの触れ 合いを描く。ゾウが日本中をまわり、子供たちと触れ合うのは、亡くなった哲夢くんの夢でもあり、“親友”の夢を大きくなったランディがかなえる格好だ。
今回のキャンペーンにつぎ込む費用は、1億円を超える見込み。通常の邦画宣伝費の総額に匹敵する金額といい、宣伝イベントのみで掛ける額としては破格の数字。同作品に対する期待感のあらわれでもある。
ランディのいる千葉・市原市の「市原ぞうの国」の園長で、哲夢くんの母、坂本小百合さんは「この映画を通じて一人でも多くの方にゾウさんのことをわかってもらい、子供たちに動物の温かさを伝えたい」と話している。
関係者によると、柳楽もランディと一緒に各地をキャンペーンでまわれることを楽しみにしているという。
★じかに触れ合えるゾウ
イベントの中身については、各地区で条例などが違うため、現在個別ごとに調整中。基本的には、ランディの背中に乗ったり、鼻にぶら下がったり、ラ ンディがハーモニカを演奏したり、くす玉を割ったり、サッカーボールを蹴ったりと映画の紹介をしながら、ゾウとじかに触れ合えるイベントとなる予定だ。
また、昨年の地震により甚大な被害を受けた新潟県小千谷市の子供たちへの慰安にも訪れるといい、1カ月強をかけて全国をまわり、7月16日の公開初日に東京に帰ってくる。
★豪華出演者だゾウ
柳楽のほか、常盤貴子(33)、高橋克実(44)、蒼井優(19)、倍賞美津子(58)ら豪華な顔ぶれが共演者として名を連ねている。音楽は坂本龍一(53)が手がけている。
タイでロケしたこともあり、同映画の劇場入場料から1人あたり20円に相当する金額を「ちび象ランディ基金」として、「財団法人 日本ユニセフ協会」を通じ、スマトラ沖地震の被災国へ寄付する。
[2005/5/30 Sanspo ]