「星になった少年」に主演 柳楽優弥
象の扱いとタイ語特訓
柳楽優弥(やぎらゆうや)主演の「星になった少年/Shining Boy & Little Randy」が、16日から、東京・有楽町の有楽 座などで公開される。昨年のカンヌ国際映画祭で、史上最年少の最優秀男優賞に輝いた柳楽の受賞後第1作。15歳になった柳楽は、「今回の映画で自信が付い た」と笑顔を見せた。(田中誠)
日本人初の象使いとして注目され、1992年に20歳で他界した坂本哲夢(てつむ)さん。その思い出をつづった母・小百合さんの手記を基にした感動のドラマだ。
昨年夏休み、カンヌの快挙の余韻に浸る暇もなく、撮影の準備に入った。動物好きで、象との共演にも「不安はなかった」が、「最初は全然言うことを聞いてくれなくて、象といるのがしんどくなることもあった」という。
その悩みがなくなったのは、哲夢さんも留学したタイの王立象訓練センターでの2週間の講習だった。
「人間と似て、嫌な時やうれしい時が、目を見れば分かる。気が付いたら、象を好きになっている自分がいた。ずっと背中に乗ってたいと思うようになった」
タイで行われた約2か月の長期ロケは、初日に激辛のトムヤムクンの洗礼を受け、象の扱いの練習、1日2時間タイ語の勉強とハードな毎日。中でも 「最悪だった」のはトカゲの丸焼きを食べるシーンで、「NGになってもう1回やるのは絶対嫌だから、一生懸命我慢してた。味? そんな余裕ないですよ」と 顔をしかめて振り返った。
しかも異国のホテルでの1人暮らし。「テレビを見てもつまらないし、最初は『まじ帰りてえ』と思った。でも、ちゃんとやんなきゃだめだと思った」
タイ語の上達度を測るため、覚えたてのせりふを、よく行く飲食店で試してみた。「これが通じたら本物だ、と。絶対分かってもらおうとずっと言い続けてたら、最後にはお店の人が『この子、何言っているの』って笑ってくれた。それで自信が付きました」
各方面に演技を絶賛された前作「誰も知らない」から1年。しかし当人は重圧を感じている様子はなさそうで、「(河毛俊作)監督を信じてやりまし た。監督と撮影前に話をした時、『みんなで一緒に頑張っていこうよ』みたいなアドバイスをもらったので、自信を持ってやりました」とだけ語る。
何度も繰り返す「自信」という言葉。質問の答えに困ってマネジャーを振り返る姿は15歳らしかったが、異国での経験は、少年を一回り大きくしたようだ。
「撮影していて楽しかった。これからも、つらいことがあっても、楽しい映画に出たいと思いましたっ」と、力強い言葉で自らインタビューを締めくくった。
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