カンヌ受賞、是枝監督と柳楽優弥の「師弟の絆」
映画「誰も知らない」で第57回カンヌ国際映画祭の男優賞を日本に初めてもたらした是枝裕和監督(41)が26日、東京・渋谷区のエクセル東急で凱旋会見 を行った。史上最年少で同賞を受賞した新人俳優、柳楽優弥=やぎら・ゆうや=(14)も同席。フランス・カンヌから持ち帰った金色のトロフィーを報道陣の 前で柳楽に手渡した是枝監督は「いい成果を得た。大満足」と“金字塔”の達成に誇らしげな笑みを浮かべた。〔写真:「誰も知らない」は男優賞受賞に加え、世界19カ国の公開も決定。大収穫を報告した是枝裕和監督=左=と柳楽優弥〕
カンヌでの受賞で一夜にして世界に名を轟かせた柳楽と是枝監督が、そろって喜びの心境を報告した。
授賞式で柳楽に代わって金色のトロフィーを受け取り25日に帰国した是枝監督が、同トロフィーを手渡すと柳楽は「賞もトロフィーも初めて。これほどうれ しいことはありません」とはにかみつつあいさつ。「どこに飾る?」と聞かれると「持ち帰っていいんですか?」と無邪気な反応で会場の温かい笑いを誘った。
作品は、父親の違う4兄妹が母の去った後、自分たちだけで生きようとする姿を描いたもので柳楽は長男・明役。柳楽との運命的な出会いについて是枝監督は 「2年前、(柳楽にとって)初のオーディションで手をひざの上で握り、硬くなっていた彼と出会ったのがスタート。撮影に入り、兄ちゃんらしいところがすご く出てきた。役柄と本人がかぶりその成長のプロセスが撮れた」と満足げに愛弟子を見つめた。
注目される柳楽の今後について「期待は?」と聞かれた是枝監督は「今回の経験が将来の可能性を広げる形になれば。今は普通の中学生なので今年は受験、学 業優先で(いいと思う)。フラッシュを浴びる以外の時間を大切にすることが、いい役者になることにつながる」と冷静にコメント。隣でうつむきながら聞いて いた柳楽は「最近『世界の中心で、愛をさけぶ』を観たらよかった。堂々としていられる俳優になりたい」と抱負。
だが、今一番したいことは?と聞かれると柳楽は「学校に行きたい」と即答し「受賞してからまだ登校していないのですが、明日行きます」と中学生の顔を見せていた。7月下旬公開予定。
★是枝裕和監督ってこんな人★ |
昭和37年6月6日、東京都生まれ。41歳。同62年早稲田大学第一文学部文芸学科卒業後、大手テレビ番組制作会社テレビマンユニオン入り。社 会派ドキュメンタリーを数多く手掛けた後に転身したテレビ畑出身の映画監督。初監督作「幻の光」(平成7年)で、第52回ベネチア国際映画祭「金のオゼッ ラ賞」を受賞。2作目「ワンダフルライフ」も世界の映画祭に出品。3作目「ディスタンス」もカンヌ国際映画祭コンペティション部門に初出品するなど、海外 での評価と注目度の高い映画人の1人。今回の受賞で国内外にその演出手腕を改めて知らしめた。今後、監督の依頼が殺到しそうで、今秋クランクイン予定の次 回作では、仇討ちをテーマにした初時代劇「花よりもなほ」に挑戦する。 |
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200405/gt2004052706.html
0 Comments:
Post a Comment
<< Home