Yagira Yuya 柳樂優彌

Wednesday, November 10

免許皆伝!柳楽優弥が象使いロケ



 

 映画「誰も知らない」で今年のカンヌ国際映画祭・最優秀男優 賞に輝いた柳楽優弥(14)の受賞後第1作となる主演映画「星になった少年」(監督河毛俊作)が、タイ・チェンマイ郊外でクランクインした。象使いの夢を 成し遂げながら、交通事故で急死した少年の実話に基づく感動作。象使いの資格を取って撮影に臨んだ柳楽は「すべての扱いができるように頑張ります」と炎天 下の中で役に魂を注いでいる。

 右前足の裏をポンと蹴り、宙に浮いたひざの部分を踏み台にしてひらりと頭部にまたがる。象使いの技術を身につけた柳楽は、流れるような動きで撮影のパートナーとなる子象のファーを操り、タイ人たちと見事な象の隊列を作った。

  カンヌ史上、最年少での男優賞という快挙から5カ月余り、ぼくとつとした雰囲気は変わらないが「(撮影は)楽しい。象とも仲良くできてます」と語る表情 は、幾分たくましさを増した印象。河毛監督も「いろんなことをやらせてみようという、イメージがわくね」と頼もしげに見つめている。

 中学生の時に単身でタイに渡り、日本人初の象使いとなりながら、交通事故のため20歳で急逝した哲夢(てつむ)さんの実話を基にした映画。出演が決まった柳楽も、すぐに象使いとしての訓練をスタートさせた。

 日本で哲夢さんの弟・峰照(たかあき)さん(20)から基礎訓練を受けた後、タイ王立の象訓練センターに入学。約2週間のカリキュラムで専門用語を覚え、コーと呼ばれる象使い専用の器具で後退、伏せなどの動きを仕込むまでになり、“卒業証書”ももらって帰国した。

 「最初は怖かったけど、日本に戻ってきたくらいから慣れてきた。でも、全部(の技術)ができるようにしたい」。クランクイン直前にも現地で最終調整を行ったが、撮影が始まり、さらに気を引き締めた。

 タイの製作プロダクション「マッチング・ピクチャーズ」との混成スタッフによるタイ・ロケ。河毛監督は「芸達者な象が潤沢にいるし、一度に50頭なんて、日本ではとても集められない。夢がある話で、やる価値がある」と手応えをつかんでいる。

 常時30度を超える熱帯特有の暑さと湿気の中、柳楽も年内いっぱい現地に滞在する予定。「演技も、ちゃんとセリフを覚えなきゃ、やばいので頑張る。食べ物も大丈夫だし、覚悟はできています」と頼もしい。来年7月公開予定。

 ≪ 母親役に常盤貴子≫哲夢さんの母親で、原作「ちび象ランディと星になった少年」(祥伝社)の著者でもある坂本小百合さん(54)役には、常盤貴子(32) が決定した。自由奔放な息子と自分を照らし合わせながら、動物プロダクションなどを切り盛りする“肝っ玉母さん”。小百合さん自身がモデル出身で、製作サ イドの「たくましくてきれいで、コメディーのような明るさを失わないキャラクターは、常盤さんしかいない」というラブコールを快諾。12月から撮影に参加 する予定。

[ 2004/11/10 sponichi ]


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